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ブロックチェーンエンジニアとは？仕事内容や未経験から転職するための手順を解説

2017年頃から、暗号資産（仮想通貨）の注目によりブロックチェーンエンジニアへの関心が高まっています。

しかし、ブロックチェーンエンジニアの仕事内容や年収について理解している人は少ないかもしれません。

この記事ではブロックチェーンエンジニアについて気になる仕事内容の詳細や年収の相場について解説します。

また、「未経験からブロックチェーンエンジニアに転職するには」を読めば、ブロックチェーンエンジニアを目指す上で、必要な手順を知ることができるでしょう。

ブロックチェーンエンジニアに興味のある方はぜひ最後までお読みください。

ブロックチェーンエンジニアとは

ブロックチェーンエンジニアとは、ブロックチェーン（分散型台帳技術）を活用してシステムやアプリを開発する専門性の高いエンジニア職です。

この技術は主に暗号資産で利用されていましたが、最近では金融以外の分野でも採用が進んでいます。

そのため、ブロックチェーンエンジニアの需要と役割は急速に多様化しており、幅広い業界でのスキル活用が求められています。

そもそもブロックチェーンとは

ブロックチェーンとは分散型のデータベース技術のことを指します。

ネットワーク上の情報をブロック単位で管理してデータを共有することで、情報連携が容易になったり、ネットワークで繋がった端末同士が直接やり取りしたりするため、セキュリティが向上します。

元々は暗号資産であるビットコインの基盤技術として始まり、現在では金融取引の履歴管理など広範な分野で利用されています。

ブロックチェーンにはパブリック・プライベート・コンソーシアムの3つのタイプがあり、それぞれ異なる用途に適しています。

また、イーサリアムを含む多くの暗号資産がブロックチェーンを採用しており、スマートコントラクト（契約を自動的に行う仕組み）やトレーサビリティ（食品の製造から消費者に届くまでを記録に残し、追跡できるようにする仕組み）などの新たな応用が進んでいます。

ブロックチェーン技術はデータの改ざんを困難にし、情報の透明性と正確性を高めることで信頼性のあるシステム構築に寄与しています。

ブロックチェーンエンジニアの仕事内容

ブロックチェーンエンジニアの主な仕事内容は、以下の3つです。

1. ペイメントサービス（決済サービス）の開発
2. ブロックチェーンを用いたシステム・アプリケーションの開発
3. 独自のブロックチェーンの開発

それぞれ詳細を確認していきましょう。

ペイメントサービス（決済サービス）の開発

ブロックチェーンエンジニアの重要な仕事の1つに、ペイメント（決済）サービスの開発があります。

ペイメント（決済）サービスの開発では、ECサイトや電子マネーを活用した電子決済を可能にするもので、特にブロックチェーンを使うことでマイクロペイメント（1円以下の少額電子決済）も実現できます。

ブロックチェーンは、分散型で改ざんが困難な性質を持つため、安全性と処理速度の向上が期待されます。

また、ブロックチェーンエンジニアは暗号資産の取引所システム開発やウォレットアプリの開発、さらにはスマートコントラクト（自動取引や条件付き契約）の実装にも関与します。

最近では、投げ銭やオンラインゲームなどの決済システムも開発され、その重要性が増しています。

今後も、ブロックチェーンを利用した新たな決済サービスの需要が拡大し、ブロックチェーンエンジニアの役割がさらに注目されていくでしょう。

ブロックチェーンを用いたシステム・アプリケーションの開発

ブロックチェーンエンジニアは、ブロックチェーン技術を駆使して、ペイメントサービス以外にもさまざまなシステムやアプリケーションの開発に従事しています。

以前は金融サービスで用いられることが多かったですが、今では著作権管理、NFTゲーム、カーシェアリングなど、幅広い領域でブロックチェーンの安全性と透明性を活かしたアプリケーションが利用されています。

ブロックチェーンを用いたシステム・アプリケーションの開発の動向は今後もさらに拡大し、医療や選挙、トレーサビリティ向上など、さまざまな分野で新たな可能性を切り開いていくことが期待されます。

ブロックチェーンエンジニアの役割は、技術の発展とともにますます重要性を増していると言えます。

独自のブロックチェーンの開発

ブロックチェーンエンジニアは、既存のブロックチェーンに機能を追加するだけでなく、顧客の要望に応じて独自のブロックチェーンを開発することも重要な仕事です。

独自のブロックチェーンの開発には、高度なブロックチェーン技術の理解と実装力が求められます。

顧客のニーズを満たすために、既存のブロックチェーンシステムでは実現困難な場合もあり、その際には完全に新しいブロックチェーンの構築が必要になることがあります。

例えば、研究機関ではセキュリティやアルゴリズムの研究を通じて、新しいブロックチェーンの開発が行われています。

ブロックチェーンエンジニアは、世界のトレンドや技術の進展に敏感であり、未来の発展を牽引する可能性があります。

ブロックチェーンの独自開発は、技術の進化と社会的課題の解決を目指すエキサイティングな仕事と言えます。

ブロックチェーンエンジニアの年収

国内でのブロックチェーンエンジニアの平均年収は約700〜1,000万円（※1）と言われています。

厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、SE全体の平均年収が約660万円のため、ブロックチェーンエンジニアは比較的高い収入を得られる可能性があります。

スキル等にもよりますが、1,000万円近い年収を提示する会社もあり、高年収が期待できる職種と言えます。

2023年10月現在のデータによると、グローバル統計では平均年収は195,000ドルです（2023年10月1日当時、約2,912万円）。

米国におけるブロックチェーン開発者の世界シェアは2017年の40%から2023年には27%に減少しており、ブロックチェーン技術の注目度が高まる中、人材の供給が追いつかない状況から、高い年収が示されていると言えます。

システムエンジニアとして活躍している方は、ブロックチェーンエンジニアへの転職で、年収アップの可能性があります。

（※1）自社調べ

未経験からブロックチェーンエンジニアに転職するには

未経験からブロックチェーンエンジニアに転職するための手順は、以下の6つです。

1. プログラミングスキルを身につける
2. ブロックチェーンの仕組みを学ぶ
3. ブロックチェーン開発ツールを使って学ぶ
4. 教材を用いて学ぶ
5. コミュニティに入って情報収集する
6. web3関連企業へ転職して実務経験を積む

それぞれ詳細を確認していきましょう。

プログラミングスキルを身につける

ブロックチェーンエンジニアには、プログラミングの基礎知識が必要です。まずは、プログラミング言語のデータ構造や文法などを学びましょう。

ブロックチェーンエンジニアにおいてよく用いられるプログラミング言語はJava、C++、GO言語などです。言語については、「ブロックチェーンエンジニアに役立つ言語と資格」で詳しくご紹介します。

ブロックチェーンの仕組みを学ぶ

次に、ブロックチェーンの仕組みについて学びましょう。

ブロックチェーンエンジニアとして理解しておくべきブロックチェーンの仕組みは、ブロックチェーンの基本的な概要、ブロックチェーンを構成する要素、ブロックチェーンに関するセキュリティの知識などです。

ブロックチェーン開発ツールを使って学ぶ

基礎的な知識を身につけた後は、具体的にブロックチェーン開発ツールを用いて学びましょう。

ブロックチェーンのプログラミングを習得するためにも、開発ツールを使って実際に手を動かしてみることをおすすめします。

例えば、Remix（Ethereumの開発ツール）や、Fabric Composer（Hyperledger Fabricの開発ツール）などの開発ツールに慣れ親しんでおくと良いでしょう。

教材を用いて学ぶ

効率的にブロックチェーンに必要なスキルを身に付けるためには、教材も活用しましょう。

オンライン上で学ぶことができたり、無料のものから有料のものまで多数利用することができるたりするため、自分の難易度に合ったものを選ぶことができます。

例えば、techboost、techacademy等があります。

コミュニティに入って情報収集する

ブロックチェーンに必要なスキルをさらに深めるためには、GitHubやStack Exchange、Slack、Discordなどのコミュニティに参加して情報収集するのが効果的です。

コミュニティでは多くの開発者やエンジニアと交流し、情報交換やアドバイスを受けることができます。

特に未経験者にとっては、貴重な学びの場となるでしょう。

さらに、フリーランスとして活動する際には、ブロックチェーンに精通したコネクションを築くことが重要です。

そのためにも、コミュニティイベントやオンラインフォーラムへの積極的な参加が推奨されます。

web3関連企業へ転職して実務経験を積む

ブロックチェーンエンジニアとして活躍するために、web3関連企業に転職して実務経験を積みましょう。

Web3とは、データを暗号化して処理するブロックチェーン技術を基盤とした、分散型の仕組みを持つ新しいインターネットの形態を指します

例えば、銀行やGAFAMなどのメガプラットフォーマー（中央集権者）に依存しない分散型のインターネットです。

web3関連企業へ転職することで、給料アップの期待、活躍の場の広がりが期待できます。

フリーランスブロックチェーンエンジニアになるには

今までの手順からエンジニアとしての経験を積むことができたら、フリーランスをして案件を獲得することも可能です。

ブロックチェーンのスキルを習得しフリーランスとして活動するためには、まず言語学習とコネクション構築が不可欠です。

未経験者がすぐに会社を辞めて、フリーランスとして活動していくことはリスクが高いです。

ブロックチェーンエンジニアとして2年以上の経験を積んだ後でフリーランスになることをおすすめします。

日本ではブロックチェーンエンジニアが非常に少ないため、需要が非常に高く、実績さえあれば正社員よりも稼げる可能性もあります。

ブロックチェーンエンジニアに役立つ言語と資格

ブロックチェーンエンジニアに役立つ言語と資格は以下の4つで、資格は以下の1つです。

• 【言語1】Java
• 【言語2】C++
• 【言語3】Go言語
• 【資格1】暗号通貨技能検定

それぞれ詳細を確認していきましょう。

【言語1】Java

Javaは、Web開発においてブロックチェーンを組み込む際に広く利用され、豊富なライブラリやサンプルソースが揃っています。

汎用性が高く、スマートフォンアプリではiOSとAndroidの両方に対応した開発環境が整っており、またデスクトップアプリや暗号資産（例えばビットコイン）の開発にも対応しています。

フロントエンドとバックエンドの両方をカバーできる点も、Javaの人気の理由の1つです。

【言語2】C++

C++は、ビットコイン開発に使われた言語で、C言語の拡張版としてリリースされた処理スピードが非常に高速で、AmazonやChromeで利用されていることでも有名です。

ビットコインはオープンソースのプロジェクトであり、GitHubなどのプラットフォームで多くの有志が参加し、複数のコミュニティで開発が進められてきました。

現在も、より使いやすいシステムを目指して、有志によってC++を基盤としたアップデートが継続的に行われています。

【言語3】Go言語

Go言語は、Googleによって開発された言語で、非常にコードが書きやすく、高速処理が可能です。

有名なところでは、YouTubeやメルカリのシステムが、Go言語で作成されています。

汎用性が高いのが特徴で、Webサービス、スマートフォンアプリ、ドローン開発などに幅広く活用されています。

Go言語の開発には、C言語の開発者が携わっており、C言語の構文に似たコードで書けるのも大きな特徴です。

アップデートも頻繁に行われていているため、使い勝手やクオリティが確実に高まっており、ブロックチェーンエンジニアの中でも、トップレベルの人気を誇る開発言語に成長しています。

【資格1】暗号通貨技能検定

暗号通貨技能検定は、暗号資産に関する基礎知識が問われる、一般社団法人日本クリプトコイン協会主催の技能検定試験です。

20分間のテストで80点以上を取ることで合格となります。

検定試験は、初級編と上級編に分かれており、初級編に合格した人が上級編の受験が可能です。

上級編では、ビジネスへの活かし方や改正金融商品取引法、改正資金決済法など、より深い知識が学べます。

上級編に合格すると、「公認暗号通貨技能アドバイザー」の資格を取得できます。

ブロックチェーンエンジニアの将来性は？

ブロックチェーンエンジニアの将来性は、明るいと言われています。

ペイメントサービスの需要がますます増加する中、金融や医療、不動産など多様な業界で必要な人材とされているため、ブロックチェーンエンジニアの役割が重要視されているためです。

また、暗号資産とインターネットの普及率は同じくらいで、暗号資産は1990年代のインターネットと同じような成長ペースで新規ユーザーを増やしており、暗号資産も同じようなカーブを描くとすれば（人口が増加しないと仮定した場合）、2047年頃に50億人のユーザーを獲得できる想定です。

出典元：BLOCKCHAIN COINVESTORS LETTER FROM LONDON

VOL. 1, NO. 4, OCTOBER 2022 

DIGITAL ASSET ADOPTION: DIGITAL MONIES

ブロックチェーン技術は常に進化し続けており、新しいスキルや知識が要求される分野です。

しかし、ブロックチェーン技術を活用するためには深い理解とスキルが不可欠であり、それを持つエンジニアは現在でも極めて少ない状況です。

企業やサービスプロバイダーは、ブロックチェーンエンジニアの能力を活かしたサービス開発を進めるために積極的に人材を求めており、将来的にも高い需要が予測されています。

まとめ

ブロックチェーンエンジニアはブロックチェーン（分散型台帳技術）を活用してシステムやアプリを開発する専門性の高いエンジニア職で、国内での年収の相場は約700〜1,000万円と言われています。

ブロックチェーンエンジニアの主な仕事内容は、以下の2つです。

1. ペイメントサービス（決済サービス）の開発
2. ブロックチェーンを用いたシステム・アプリケーションの開発
3. 独自のブロックチェーンの開発

ブロックチェーンエンジニアとして取得しておくと役立つ言語は以下の3つで、資格は以下の1つです。

• Java
• C++
• Go言語
• 暗号通貨技能検定

また、未経験からブロックチェーンエンジニアに転職するための手順は、以下の6つです。

1. プログラミングスキルを身につける
2. ブロックチェーンの仕組みを学ぶ
3. ブロックチェーン開発ツールを使って学ぶ
4. 教材を用いて学ぶ
5. コミュニティに入って情報収集する
6. web3関連企業へ転職して実務経験を積む

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