インテントキャリア

インフラエンジニアにおすすめのプログラミング言語6選!市場価値を高めるスキルも併せて解説します

インフラエンジニアにおすすめのプログラミング言語6つ

インフラエンジニアにとって、プログラミング言語はシステムの運用・管理の効率化に欠かせないツールです。

多くの業務がシステムの構築や保守、監視といったタスクに関わるため、これらを効率的に行うための自動化スクリプトやツールの開発が求められます。

それぞれの言語には独自の特徴があり、環境や目的に応じて使い分けることで、業務効率が大幅に向上します。

ここでは、特にインフラエンジニアに役立つプログラミング言語を紹介します。

Python

Pythonは、その汎用性の高さから多くのエンジニアに支持されているプログラミング言語で、インフラエンジニアにとっても非常に有用です。Pythonは簡潔で読みやすい構文を持ち、学習コストが比較的低いため、初心者にも取り組みやすい点が魅力です。

  • 自動化のためのツールが豊富
    Pythonには自動化に役立つライブラリやツールが多数あります。例えば、インフラ管理ツールであるAnsibleはPythonで構築されており、Pythonスクリプトを使用してインフラの設定や管理を自動化できます。また、NetmikoParamikoといったライブラリは、ネットワークデバイスの制御やリモート接続に便利で、インフラエンジニアの日常業務を効率化します。
  • データ操作に強いライブラリ
    PythonのPandasライブラリはデータ処理に非常に強力で、ログファイルの分析やシステム監視データの集計に役立ちます。インフラ運用において、ログの解析やデータの集計は重要な業務の一部であり、これらを効率よく行えるPythonのライブラリは非常に重宝されます。
  • API操作も容易
    PythonはREST APIやSOAP APIの操作も簡単に行えます。多くのクラウドプロバイダーが提供するAPIと連携し、インフラの構築や管理を自動化するスクリプトを作成することが可能です。AWS、Azure、GCPなどのクラウド環境でのリソース操作もPythonで効率的に行えるため、クラウドインフラエンジニアにとってもPythonは非常に有用な言語です。

Shellスクリプト

Shellスクリプトは、Linux環境での操作を自動化するためのスクリプト言語であり、インフラエンジニアにとって基本中の基本と言えるスキルです。特に、サーバー運用がLinux環境で行われる場合には不可欠なツールです。

  • コマンドの自動実行が可能
    Shellスクリプトでは、Linuxコマンドを組み合わせることで、複雑な操作を自動化できます。例えば、定期的なログの削除、ファイルのバックアップ、ディスクの空き容量のチェックなど、日々の運用で必要なタスクを効率化することができます。
  • システム監視やバックアップに最適
    Shellスクリプトは、システム監視やバックアップといった定型的な作業を簡単に自動化できるため、インフラエンジニアの日常業務を支える重要なツールです。Cronなどのスケジューリングツールと組み合わせることで、決まった時間に定期的な処理を行うことも可能です。
  • BashやZshなどのシェル環境に対応
    ShellスクリプトはBashやZshといったシェル環境に応じて書くことができます。Bashは多くのLinuxディストリビューションでデフォルトのシェルとして使用されており、特に学習の優先度が高いです。Zshもカスタマイズ性が高いため、インフラエンジニアにはおすすめのシェル環境です。

Ruby

Rubyは、簡潔で人間にとって読みやすいコードが書けることが特徴で、特に構成管理ツールであるChefで採用されていることからインフラエンジニアに人気があります。

  • 構成管理ツール「Chef」で使用
    Chefは、サーバーの構成管理や設定の自動化に使用されるツールで、Rubyをベースにしています。Chefを使えば、サーバーの設定をコード化し、複数のサーバーに対して一括で設定を適用することが可能です。インフラのコード化(IaC: Infrastructure as Code)を実現するためのツールとして広く利用されています。
  • テスト自動化にも向いている
    Rubyはテスト自動化にも適しており、サーバーやネットワーク機器の設定確認にも利用されます。RSpecCapybaraといったテストフレームワークが充実しているため、設定の変更やシステムのアップデート後に動作が正常であることを確認する自動テストの作成が容易です。
  • 軽量で管理ツール作成に最適
    Rubyはスクリプト言語として軽量であり、管理ツールやユーティリティの作成に向いています。シンプルな構文と豊富なライブラリにより、短時間で有用なスクリプトを作成できます。

Go

Go(Golang)は、Googleによって開発されたシンプルかつ効率的なプログラミング言語で、特にパフォーマンスと並行処理に強みがあります。インフラエンジニアにとっては、パフォーマンス重視のインフラツールを開発する際に適した言語です。

  • 並行処理が強力で高いパフォーマンス
    Goは並行処理が得意で、スレッドを使わずに軽量なゴルーチンと呼ばれる仕組みで並行処理を実現しています。これにより、負荷の高い処理を効率よく実行でき、大規模なインフラツールを開発する際に役立ちます。
  • DockerやKubernetesなどで利用
    Goは、コンテナ技術で有名なDockerKubernetesの開発に使用されています。これらのツールがGoで書かれているため、Goを学ぶことで、コンテナ環境のカスタマイズやツール開発に活用できる知識が身に付きます。特にコンテナ技術に関心があるインフラエンジニアには、Goの習得は強くおすすめです。
  • 軽量でリソース効率が高い
    Goで開発されたプログラムは軽量でリソースの使用効率が高いため、サーバーのリソースが限られている環境や、エッジデバイスでの使用にも適しています。さらに、Goは静的にコンパイルされるため、依存関係の管理が容易で、安定した実行ファイルを作成できます。

Perl

Perlは、古くからあるプログラミング言語であり、テキスト処理に優れていることから、インフラエンジニアには根強い支持があります。特に、ログ解析やデータ整形などに役立ちます。

  • ログ解析に便利
    Perlは正規表現による文字列操作が得意で、ログファイルの解析や、データの抽出・変換を効率よく行えます。多くのレガシーなシステムでPerlスクリプトが利用されているため、既存のインフラを維持するためにPerlの知識が必要な場合もあります。
  • レガシーシステムの維持に有用
    Perlは古いシステムやレガシーな環境で多用されてきたため、既存のスクリプトやツールを維持・管理するためにPerlを理解しておくことが役立ちます。Perlを学ぶことで、過去に作成されたツールやスクリプトのメンテナンスがしやすくなります。

インフラエンジニアが優先して習得すべき言語は?いくつ習得すればよい?

インフラエンジニアとして必要なスキルを効率よく身に着けるためには、優先して習得すべき言語を絞り込むことが重要です。以下に、特に重要とされる言語と、学習すべき数について解説します。

まずはPythonを習得する

Pythonは汎用性が高く、自動化やデータ操作に強いため、まずはPythonを習得するのがおすすめです。多くのツールやライブラリが揃っており、インフラの自動化に役立つため、Pythonを基礎にすることで業務効率が向上します。Pythonは他の言語と併用することも容易で、インフラ業務で必要なさまざまなスクリプト作成にも対応可能です。

Shellスクリプトは必須スキル

Shellスクリプトは、Linux環境での操作を効率化するために必須のスキルです。システム管理やタスクの自動化に役立つため、インフラエンジニアには避けて通れない知識と言えます。基本的なBashスクリプトの構文や、頻繁に使用するコマンドを理解することで、日常の業務が大幅に効率化されます。

3つの言語を目安に習得する

インフラエンジニアが習得するプログラミング言語の数は3つが目安です。Python、Shellスクリプトに加えて、自分の環境に合わせた1つの言語を習得することで、幅広い業務に対応できるスキルセットが完成します。環境によっては、WindowsをメインにするならPowerShell、またはコンテナ環境ならGoを追加で学習するのがおすすめです。

実務で必要な言語を選ぶ

実際にインフラ業務を行う上で、必要な言語は職場やプロジェクトにより異なります。そのため、まずは現場で求められるスキルを優先的に学ぶのが効率的です。例えば、構成管理ツールを使用する場合はRuby、クラウドインフラではPythonやPowerShellが役立つことが多いため、現場のニーズに応じて選択しましょう。

インフラエンジニアが特にPythonを使う理由

Pythonはインフラエンジニアにとって非常に便利なツールであり、幅広い用途で使用されています。ここでは、Pythonが特にインフラエンジニアに人気の理由について解説します。

自動化スクリプトが簡単に作れるから

Pythonはシンプルな構文でスクリプトが作成できるため、自動化が容易です。インフラエンジニアが日常的に行うタスクを自動化する際に、Pythonは非常に役立ちます。例として、定期的なバックアップの実行や、ログの収集と解析を自動化するスクリプトなど、多様な作業を効率化できます。

ライブラリが豊富だから

Pythonには数多くのライブラリがあり、インフラエンジニアが必要とする機能を容易に実装できます。例えば、ネットワーク関連の「paramiko」やデータ解析の「pandas」などが代表的です。これにより、複雑なタスクも少ないコードで実現できるため、Pythonの人気が高まっています。

コードが読みやすく保守しやすいから

Pythonはコードがシンプルで読みやすいため、他のエンジニアと共有しやすい特徴があります。メンテナンスがしやすいことから、長期間にわたるプロジェクトでも活用しやすいです。チーム全体での作業が円滑に進むため、Pythonは業務環境においても優れた選択肢です。

多分野のスクリプトにも対応できるから

PythonはWeb開発からデータ分析、ネットワーク管理まで幅広い分野で活用できるため、インフラエンジニアにとっても便利なツールです。特定の分野にとらわれず、柔軟に対応できるのが大きな強みです。インフラ以外の分野にも応用が利くため、エンジニアとしてのキャリアの幅が広がります。

インフラエンジニアが学ぶべきShellスクリプトの基本

Shellスクリプトはインフラエンジニアの基本スキルとして非常に重要です。ここでは、Shellスクリプトが持つ利点について説明します。

コマンド操作を効率化できる

Shellスクリプトを使えば、コマンド操作をスクリプトとしてまとめることができ、業務効率が向上します。日常的なタスクを一括で実行できるため、作業の手間が省けます。

繰り返し処理が簡単に行える

Shellスクリプトはループ処理が簡単に書けるため、繰り返し処理を行うタスクに適しています。特に複数のサーバーに対して同じ操作を実行する場合に便利です。

システム監視・バックアップに役立つ

システム監視やバックアップスクリプトの作成にも、Shellスクリプトは役立ちます。定期的にチェックを行い、異常があれば通知するような設定も簡単です。

他のスクリプト言語と組み合わせられる

ShellスクリプトはPythonやPerlなど他の言語とも組み合わせて使うことができ、柔軟な対応が可能です。異なる言語のスクリプトと連携させることで、さらに効率的な運用が可能です。

インフラエンジニアが言語以外に学ぶべきスキルと資格

プログラミング言語だけでなく、インフラエンジニアに必要な基礎知識や資格もあります。ここでは、言語以外に学ぶべきスキルについて説明します。

Linuxの基礎知識

Linuxは多くのサーバー環境で利用されているため、基本的なコマンド操作やシステム管理についての知識が必要です。Linux環境の理解が深まることで、業務がスムーズに進行します。

ネットワークの基礎知識

インフラエンジニアには、ネットワークの知識も不可欠です。IPアドレスやサブネットマスク、ルーティングなど、基本的な概念を理解しておくと、ネットワーク障害の対応も容易になります。

クラウドサービス(AWS、GCPなど)の操作

近年ではAWSやGCPなどのクラウドサービスが広く使われており、これらのサービスを利用するスキルも重要です。クラウドインフラの構築や管理ができることで、スキルの幅が広がります。

資格:AWS認定資格、LPICなど

インフラエンジニアとしてのスキルを証明するためには、資格の取得も有効です。AWS認定資格やLinuxの知識を問うLPICなどの資格は、実力の証明として役立ちます。

まとめ

インフラエンジニアが扱うプログラミング言語は、各言語の特徴に応じて使い分けることが重要です。自動化や効率化が求められるインフラの現場では、PythonやShellスクリプトが基本スキルとして役立ちます。

さらに、構成管理やテスト自動化を行うためのRuby、パフォーマンス重視のツール開発に適したGo、ログ解析やレガシーシステム管理に有用なPerl、そしてWindows環境での管理に必須のPowerShellなど、状況に応じて多様な言語を使い分けることで、インフラ業務を効率的に進められるでしょう。


インフラエンジニア
この記事を書いた人
小宮 滉

大学時代にインフラトップでエンジニアインターン、Coincheckでマーケティング業務を経験。 2022年にGUILD株式会社を創業し、Web3開発やIVS Crypto THE DEMODAY優勝などの実績を持つ。 現在はLINE上でのWeb3開発や「インテンキャリア」の運営、2024年にはWeb3人材マネジメント協会を設立し、検定や研修制度の構築にも取り組んでいる。